アパレルの仕入れで利益率30%増!国内・海外戦略と在庫ロスを防ぐリスク管理ガイド
アパレル事業において、仕入れは利益を左右する最も重要な業務のひとつです。
近年はEC市場の拡大や円安によるコストの上昇、トレンドの短命化など仕入れ環境が大きく変化しています。
今回は中級者向けに利益率を高め、在庫リスクを抑えながら安定した仕入れを行うためのポイントを紹介します。
どんなに販売力や集客力があっても、仕入れの段階でコストや在庫を見誤れば利益率の低下やキャッシュフローの悪化を招きかねません。今求められているのは、経験や勘に頼らないデータに基づく仕入れの最適化への転換です。
目次
アパレルの仕入れ最新動向と市場トレンドを理解する

アパレルの仕入れはコロナ以降、構造と販売チャネルが劇的に変化しており、実店舗中心からECを軸としたデータドリブンな仕入れへと移行が加速しています。
市場動向を把握しないままでは、在庫リスクや利益低下にもなりかねません。
国内市場の需要の変化とEC化の進展
日本のアパレル市場は縮小傾向ですが、SNS発信から販売までを一貫して行うD2Cブランドは増加しています。
・少量で高頻度の仕入れ
・販売データをもとにした即時リピート発注
・在庫リスクを抑えた運用
経済産業省では以下を調査発表をしており、EC販売を前提にした品目やサイズ、価格帯の最適化が不可欠です。
EC化率※1は、BtoC-ECで9.8%(前年比0.4ポイント増)、BtoB-ECで43.1%(前年比3.1ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。
(参考:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」)
海外市場のトレンドと円安下での対策
2022年以降続く円安の影響で、輸入コストが上昇し従来の価格競争型ビジネスは通用しにくくなりました。ですが海外ブランドを活用し、付加価値の高いアイテムを国内で展開する戦略が有効です。
海外トレンドとして、「サステナブル素材」「ジェンダーレス・ユニセックスファッション」「短サイクル・小ロット生産を可能にするODM」が発展しています。
アパレルの仕入れ戦略|中級者が利益率を最大化するために

利益率30%以上を確保するには、販売力よりもアパレルでの仕入れ戦略の精度が鍵を握ります。
同じ商品を扱っても、単価やチャネルの選定基準によっては利益に2倍以上の差がつくことも珍しくありません。
注目すべき仕入れチャネルと選定基準
アパレルの仕入れには主に、以下の4つのチャネルがあります。
・国内卸サイト
・展示会
・OEM・ODM生産
・海外仕入れ
「利益率・安定性・独自性」から最適ルートを選び、安定した取引と品ぞろえを両立することが重要です。
国内卸サイトは少量から仕入れ可能で納期も早く、競合が多く利益率は下がる傾向があります。
展示会ではメーカーと直接交渉でき、品質やトレンドを確認しながら中期的な取引が可能となるでしょう。
OEM・ODMによるオリジナル生産は高利益を狙える手法ですが、ロット数や納期管理に注意が必要です。また、海外仕入れでは輸入手続きや品質管理リスクがあり、信頼できる代行業者や複数のルート確保が必須ですよ。
海外仕入れと輸入ルートの具体的な活用法
海外仕入れは、適切なルートを選べば国内より20〜40%安く調達できる可能性があります。
・オンラインBtoBプラットフォーム
・現地展示会・市場訪問
・現地代行業者を介したOEM・ODM生産
中級者は、安さ狙いの海外仕入れからブランドを支える国際調達へ視点を転換することが、成長の分岐点となるでしょう。
卸業者との継続的な取引で優先条件を得る方法
価格交渉の前に信頼を得ることが差を生みだし、卸業者にとって「信頼できる取引先」となれば優遇を受けられる可能性があります。
・優先的な入荷情報
・支払い条件の緩和
・取引価格の割引率アップ
信頼関係を築くには小ロットでも定期的な発注を心がけ、在庫引き取り率を低く保てるようにしましょう。
仕入れ単価を下げるための交渉術
業者に「安く仕入れたい」と頼むだけではなく、信用とデータを武器にしましょう。
・販売データを提示して説得
・年間発注予定を見せてスケジュール契約を提案
・決裁スピードを武器に
また、「他社も比較しているが、御社との取引を軸にしたい」というような言い回しを使うのも効果的で、納期やロット、支払い条件をセットにして交渉していきましょう。
アパレルの仕入れ|販売データの活用と効率的な在庫マネジメント

アパレル事業では、「仕入れ=勝負の9割」と言われるほど、在庫の管理と販売データの活用が業績に直結します。
中級者にとっては、感覚的なアパレルの仕入れからデータドリブンな仕入れ計画への転換が、利益率を安定させる重要なステップです。
販売データを活用した仕入れ計画の立て方
販売実績データを逆算して「何を、どれだけ、いつ仕入れるか」を決めていきましょう。過去の販売履歴を分析すると、商品ごとの販売サイクルや価格帯別の売れ筋が明確になります。
・前年同月の販売数や利益率
・平均販売単価(ASP)と在庫回転日数
・リピート購入率や返品率
POSデータやECサイトの販売履歴をクラウドで一元管理すれば、季節変動やトレンド変化にも素早く対応可能です。
在庫回転率を上げる仕組みづくり
在庫回転率を高めるには、「売れ筋・低回転商品」を明確に分け、仕入れ判断の基準を数値化することが重要です。
予約販売や受注生産を導入し在庫リスクを抑え、定期的な在庫の棚卸を習慣化すると効果的ですよ。
また、シーズン途中でもトレンドの変化はあるため、短サイクル仕入れも有効でしょう。
シーズンごとの発注リスク管理
アパレルは季節性が強く、シーズンごとに仕入れリスクが大きく変動するので対策が不可欠です。
・初期ロット:少量でトレンドの反応を確認
・中期ロット:販売データをもとに再発注
・後期ロット:売れ筋のみ追加
為替などの外的要因も見据えシナリオ別の仕入れ計画を想定しておくと、在庫ロスを最低限に抑え、安定した利益を積み上げていけるでしょう。
知っておくべき!アパレルの仕入れリスクとトラブル対処法

アパレルの仕入れではリスク管理を軽視すると、在庫損失や法的トラブル、ブランドのイメージダウンにつながる可能性があります。
輸入規制や品質トラブル、偽物の混入などよくあるリスクを事前に把握し、対処できる体制を整えておきましょう。
輸入規制・関税・法律面の基礎知識
海外から仕入れる場合、まず押さえておきたいのは輸入規制や関税、関連法規です。
・関税・消費税:国や商品ジャンルによって税率が異なる
・輸入禁止・制限品:動物由来素材や一部ブランド商品は規制対象
・契約書・商標法:OEM・ODMで海外生産する場合、知的財産権を侵害しない契約書の整備が必要
万が一違反すると税関での差押えや罰金、販売停止リスクに直結するため規制情報を定期的にチェックすると安全ですよ。
品質トラブルや返品対応への実践策
アパレルの仕入れで、最も発生しやすいトラブルが品質問題です。
代表的な物にはサイズや色味の違い、裁縫不良やタグなどの誤表記があります。対策として実物確認や数量、裁縫確認が有効です。また販売前には店舗で商品を確認し、撮影や説明文に反映します。
返品ポリシーを明確にするのも忘れずに行いましょう。トラブル発生時に使える対応フローを作成しておくとスタッフ間での判断ミスも防げ、対応もスムーズです。
偽物・ブランド品仕入れで気をつけること
ブランド商品や高級品を扱う場合、偽物の混入リスクは利益以上に致命的です。
偽物の販売をしてしまった場合には損害賠償や刑事責任、ブランド信用を失うことにつながるため、注意を怠らないようにしましょう。
・信頼できる販売代理店を通す
・輸入証明書やタグの確認
・相場より極端に安いのは危険
正規品であることを確認するプロセスを設けることが重要です。
まとめ|中級者がアパレルの仕入れで事業を成長させるために
アパレルの仕入れで事業を成長させるためには、単なる「安く仕入れる」だけの戦略では無く、中級者としての視点を持つことが重要です。
・市場動向と販売データに基づく計画的な仕入れ
・複数チャネルとリスク分散による安定調達
・リスク管理とトラブル対応整備
上記をバランスよく組み合わせることで、利益率を高めながら在庫のリスクを最小化し、長期的な事業成長を可能にします。
中級者としてデータに基づく計画や複数チャネル活用、リスク管理を上手く活用し、アパレルの仕入れ精度を上げ安定した販売と成長につなげていきましょう。
代表取締役 末継 佳大
監修者
株式会社NIPPON47
前職はプロカメラマンとして10年ほど勤務。その後、カメラマンとして独立。タイへの出張時に現タイ法人の代表である日本人と知り合い2019年に同社を創業。当時はタイSAGAWAの代理店として様々な荷物を扱うが、コロナ禍に古着の輸送に特化したサービスを展開し今に至る。現在は、タイ・パキスタン・ドバイの各法人/オフィスと連携を取り合い、日本に拠点をおきながら古着仕入れ・輸出入のサポートを行う。
