服の原価は古着と新品で変わる?仕入れに関わる原価率と輸出入での違い
服などの商品を売買するにあたって、原価率は仕入れに関して切っても切り離せない関係です。しかし、服は服でも新品と古着では原価率が違います。
新品の服の原価率は業界でおおよそ統一されているのに対し、古着の原価率はお店ごとに違ってくるのです。さらにこれに輸出入が関わると、関税により利益が出るかどうかが変わってきます。
では、服の原価についてどのように考えたら良いのでしょうか?今回は、古着の仕入れに係る原価率や輸出入での違いについて解説します。それに伴う売上の上げ方についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
新品服と古着の原価率・仕入れ値の違いについて比較してご紹介
では、そもそも新品の服と古着の原価や仕入れ値はそれぞれどういった関係なのでしょうか?服を販売するにあたり、原価と仕入れ値は基本的な知識です。
ですが、古着だけを取り扱っていると新品の原価と仕入れ値はなかなか知る機会がありません。ここでは、それぞれの原価率・仕入れ値と売上の関係性について紹介します。
新品の服の原価率は一般的に30%
新品の服を扱うブランドの原価率は基本的に30%ほどといわれています。ただし、毎年生産しているなどの定番商品は20%まで下げることがあるようです。
ここで大事なのが、原価率であって卸値ではないということです。ここからさらにセレクトショップに卸すと、卸値は60%となります。
それでも必ず売れるというわけではありません。原価率が30%以上でも売れるとは限らないため、利益率が上がらないのが今のアパレル業界です。だからこそ古着市場が拡大しつつある理由でもあるのです。
着の原価率・掛け率は業者によって可変
古着市場に出回るのは本当に中古の服か、新品の売れ残り品(倉庫品)です。そのため、基本的に仕入れ値はかなり低くなります。
さらに、古着の原価率(≒掛け率)は業界でおおよそ決まっているわけではなく、あくまで販売業者の裁量に任せられている部分が多いです。
原価率をかなり低く設定しても、逆に高くしても、商品ごとに変えても良いのです。ですが、古着だからこそ一定にできないという理由もあります。
掛け率をどうするかが売上の鍵に
だからといって掛け率を低くすれば良いというわけではありません。というのも、古着は仕入れ方法によってそれぞれの商品の仕入れ値と「売れる価格」が大きく変わってくるからです。
たとえば、ベール単位で仕入れたまとめ売りできるほどの古着は仕入れ値が低くなります。かといって、掛け率を高くして価格を上げても売れるかどうかは厳しいです。
このように、古着は新品の服に対してそれぞれ「どれくらいの価格なら売れるのか」を先に考えなければいけません。ならば、どれだけ仕入れ値や経費を下げていくかが重要になります。
輸出入ではどう変わる?服の原価と仕入れ値のバランスの取り方
新品とは違い、古着に大きく関わってくるのが輸出入での仕入れ・販売です。では、中古の服の輸出入では原価や仕入れ値と販売価格のバランスはどう取れば良いのでしょうか?
それには、まず輸出入に欠かせない「関税」や諸経費が重要になってきます。
輸出入について切り離せない「関税」
古着の貿易(HS)コードは「6309.00」です。輸入の場合、課税対象が20万円以下なら簡易税率の5%ですが、20万円以上になると一般税率となります。
輸出の場合は輸出先の国によって関税が変わります。しかし、古着の場合は古着の関税が低い、もしくは無税の国に輸出することが多いです。
関税が低い国には古着の物流拠点があり、そこから各地へ輸送されることがほとんどです。そのため、古着の輸出先はほとんどが東南アジアやアフリカ諸国となっています。
輸出古着の原価は「キロ単位」
ブランドものやヴィンテージではない限り、古着の輸出入はベール化する前提で行われます。ベール化とは商品を積み重ね、専用の機械で圧縮しビニールなどでシュリンク加工することです。
輸出入にかかわる古着は、ほとんどの場合このベール単位の価格で取引されます。そのため、服の原価はベール1つに入っている枚数ではなく、仕入れたベールそれぞれのキロ単位での計算で決まります。
売れ筋の柄や品質の良いものがあれば掛け率を下げられるかもしれませんが、質が悪ければ利益度外視となるでしょう。
最終的な商品数の多さで売上が変わる?
古着を扱う上では、最終的な商品数の量が重要です。ヴィンテージの古着を扱うにしても、品数を揃えて吟味してもらう方が売上も上がります。
そのため、輸入を駆使して在庫を集めるのであればベール単位での輸入も選択肢のひとつでしょう。
ベール単位での輸入であれば、現地買付にもそれほど手間はかかりません。ベール化できる機械のある倉庫を探すと効率よく積荷を作ることができます。
【参考:HUNADE「古着の輸入を始めよう!知識・関税・販売方法などを紹介!」】
輸入古着の売上を上げるには服の原価よりも仕入れ経費の削減を
輸入においては服の原価よりも仕入れに関わる経費がかさみがちです。この経費が全体の販売価格にもかかってきます。
削れる経費は削ったほうが経営にも良い影響を与えるでしょう。では、古着輸入において一番削りやすい経費とはなんでしょうか?
現地買付はこだわれるが経費もかかる
古着輸入において、一番削りやすい経費は服の「現地買付」です。ヴィンテージを扱う場合、現地買付で直接商品を見ることは非常に重要ですが、頻繁に行くことはできません。
特に情勢が不安定な中、渡航費用もかさんでしまいます。だからといって実際に目で見ないで輸入を行うのは不安かもしれません。
もし実物を見ないままの輸入が不安ならば、現地買付を委託することを視野に入れるのも良いでしょう。
現地買付を委託するのも◎
アメリカ・東南アジア・欧米など各所には古着の物流拠点があります。また、ヴィンテージものが集まる拠点もあります。
こういった拠点には、必ず現地買付を受託している業者がいるのです。そういった業者はそれぞれの国に拠点を持ち、現地買付を代行してくれます。
現地の担当者に希望の品を伝えれば自分の代わりに現地買付を行うのです。これならば自分が渡航を繰り返すよりも経費が少なく済むでしょう。
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服の原価って?仕入れの基本
新品の服と古着では原価率の設定や仕入れの方法が変わります。一見古着のほうが自由に価格を設定できるように見えますが、仕入れに関わる諸経費は新品よりも多くなる傾向があります。
削れる経費は削り、委託できるものは委託すれば、たとえ輸入古着だとしても経費を削ることが可能でしょう。ぜひ現地買付の委託をご検討ください。
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