輸送コンテナの基礎知識とメリット・デメリット|航空便でも使えるか解説
国外に荷物を輸送する時、コンテナを使う方法があります。コンテナは、海上輸送や航空輸送で用いられ、それぞれに特徴があるので注意が必要です。
コンテナ船での輸送は、配送料金が安い特徴がある一方で、時間がかかるデメリットがあります。航空輸送は、配送スピードが早いメリットがありますが、荷物の重量制限やサイズ制限が厳しいのが特徴です。
今回は、輸送コンテナの概要と海上輸送、航空輸送それぞれの特徴と注意点について解説します。
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輸送コンテナの基礎知識|サイズや種類を知って最適な配送を選択
輸送コンテナは、「20世紀最大の発明のひとつ」と言われるほど画期的な輸送手段です。国外への輸送にコンテナを使い、作業効率が改善し、人件費削減にも繋がったため、輸送コストも抑えられるようになりました。ここでは、コンテナの基礎知識を解説します。
輸送コンテナとは?
輸送コンテナとは、世界で統一されたサイズと形状のコンテナを使用する配送手段です。コンテナを用いると、荷物の積み下ろしが簡単になり、人件費と時間の削減が実現されました。輸送コンテナでは、さまざまな種類の商品を効率よく、安全に運べるようになっています。
<コンテナの種類>
・ドライコンテナ
・冷凍・冷蔵コンテナ
・タンクコンテナ
・オープントップコンテナ
・フラット・ラック・コンテナ
一般貨物から、温度管理が必要なもの、液体まで効率よく運べるのが輸送コンテナの特徴です。
コンテナのサイズ
輸送コンテナのサイズは、ISO(国際標準化機構)によって定められています。20フィートコンテナと40フィートコンテナがあり、それぞれ容積が異なります。
<コンテナのサイズ>
・20フィートコンテナ(幅8フィート×高さ8フィート6インチ×長さ20フィート)
・40フィートコンテナ(幅8フィート×高さ8フィート6インチ×長さ40フィート)
どちらの輸送コンテナも、積載可能重量は約25トンで同じです。20フィートコンテナでは、「容積が小さいが重い物」を運び、40フィートコンテナでは、「容積が大きいが軽い物」を運びましょう。
自分のニーズに合った輸送コンテナを選択し、配送時のトラブルを最小限にする必要があります。
LCLとFCLとは?
輸送コンテナを使用した運送方法には2種類あります。FCL(Full Container Load)とLCL(Less Than Container Load)があり、それぞれの特徴を解説します。
<FCLの特徴>
・一人の荷主でコンテナ1つを独占して利用する方法
・他者の荷物と混載しないので、荷物の破損トラブルなどの心配がない
・仕分けや積み下ろしによる、荷物ダメージや紛失が少ない
・LCLよりコストが高い
<LCLの特徴>
・一つのコンテナを複数人で共有して輸送する方法
・必要なスペースに料金を払うため、輸送コストが抑えられる
・混載による、荷物へのダメージが心配
配送する荷物の量が、コンテナ1つに満たない場合は、LCLを利用しましょう。LCLでのトラブルを避けるために、荷物にクッション材を使うなど、頑丈な梱包を意識すると大事な荷物が傷つくリスクを減らすことができます。
輸送コンテナのメリット・デメリット|海上便でも早く届けるには
輸送コンテナは、メリットとデメリットがあるので注意しましょう。コンテナ船は、輸送コストが安いですが、配送に時間がかかります。配送に時間がかかるデメリットは、高速海上便を使うと解消できるので、利用方法を解説します。
コンテナ輸送のメリット
コンテナ輸送では、一度に大量の荷物を運び、私たちの生活を支えています。コンテナ輸送のメリットは以下の通りです。
<コンテナ輸送のメリット>
・輸送コストが安い
・大量の荷物を運べる
・トラック・鉄道・船まで一貫輸送が可能
・コンテナが頑丈で、貨物へのダメージを軽減できる
・積み替え作業が最小限で荷物へのダメージが少ない
コンテナを用いると、大量の荷物を効率よく、安全に運ぶことができます。配送効率が良くなるため、コストが削減され、輸送費が安くなるのです。
コンテナ輸送のデメリット
コンテナ輸送はデメリットもあるので注意しましょう。配送方法を選ぶときは、メリットとデメリット双方の理解が必要です。
<コンテナ輸送のデメリット>
・海上輸送では、長い日数がかかる
・高温多湿の環境により、荷物が劣化する可能性あり
・コンテナ内の荷崩れ
・各港で荷物の積み下ろしで破損や紛失の恐れがある
海上輸送では、いくつかの港で荷物の積み下ろしを行うので、到着までに長い時間がかかります。頑丈なコンテナですが、コンテナ内での荷物の劣化や破損に注意しましょう。
参考:三菱商事ロジスティックス 「コンテナ輸送の仕組みとは?種類や輸送方法、メリットやデメリットなども解説」
海上輸送でも早く届ける方法
海上輸送では、荷物到着に時間がかかるデメリットがありますが、高速海上便を使うと荷物を早く届けられます。
<高速海上便の特徴>
・フェリー輸送による海上輸送
・航空便より安く、船便より早い
NIPPO47の高速海上便なら約12〜16日で荷物を届けることが可能です。配送の速さと料金の安さを両立させたい方におすすめの配送方法です。
輸送コンテナの利用方法を解説!海上輸送のコストを抑える方法も
「輸送コンテナの利用方法がわからない」という人も少なくないと思います。コンテナでの国際輸送は、個人の契約は難しく、フォワーダーに依頼するのが一般的です。フォワーダーへの依頼方法や、選び方のポイント、コストの抑え方を解説します。
フォワーダーに依頼する
輸送コンテナを利用する時は、フォワーダーに依頼しましょう。フォワーダーとは、荷主の代わりに国際輸送の手配をしてくれる事業者です。本船の予約・ピックアップ・通関・書類業務を代行してくれるので、1つの窓口で物流が完結できるメリットがあります。
コンテナ輸送を行うときは、フォワーダーがコンテナの品質チェックも行ってくれるので、安心して配送を任せられます。
フォワーダー選びのポイント
国際物流には欠かせないフォワーダーですが、どの会社を選ぶのか迷うと思います。フォワーダーには、それぞれ「強み」があるので、会社毎の特性を理解して選びましょう。
例えば、フォワーダーによって得意とする国と地域が異なります。他にも、危険物の取り扱いが得意だったり、冷凍貨物が得意な業者などさまざまです。自分のニーズに合った強みを持つフォワーダーを選択することで、効率の良い物流が可能になります。
参考:HPS フォワーダー選びに失敗しないための8つの事。国際物流を大手だけに任せて安心していませんか?
海上輸送の料金とコストを抑える方法
海上輸送の料金は、さまざまな要因で決められており、決まった価格はありません。海上輸送の内訳は以下の項目で決定されます。
・輸送距離
・需要と供給
・船の混雑状況やコンテナの空き状況
輸送コンテナで荷物を送るとき、なるべく料金を抑えたいものです。輸送費を削減するためには、フォワーダーごと見積もりを出してもらいましょう。サービスや、補償内容と料金を比べて総合的に判断するのが重要です。
料金を抑えるためには、容積重量の計算も必要です。海上輸送は、容積重量と実重量を比べ、重い方で料金が算出されます。混載で配送する時は、梱包時に容積が膨らまないよう工夫し、コストを抑えましょう。
輸送コンテナは航空便にも使われる?特徴と海上輸送との違い
輸送コンテナと聞くと、コンテナ船を思い浮かべる人が多いと思います。実は航空便でもコンテナ輸送する手段があるのです。旅客機の空いたスペースや貨物専用機でコンテナを運びます。最後に航空便のコンテナ輸送の特徴や注意点を解説します。
航空便のコンテナの特徴
航空便のコンテナは、船やトラックに載せるコンテナとは異なる形状になります。従来のコンテナの形は、航空機の形に適していないため、配送スペースを効率よく埋めることができません。
航空便では、航空機に適した形状で、小さく、軽い素材で作られているのが特徴です。
航空輸送の注意点
航空輸送するときは、高さやサイズ制限に注意が必要です。航空輸送では、高さ・幅共に300㎝程度に収める必要があり、荷物の大きさに気を付けましょう。
他にも、航空貨物便の本数が少ない関係で、予定通りに荷物が配送されない可能性があります。コンテナを航空便で送るときは、配送遅延に注意しましょう。
海上輸送との違い
コンテナ船と航空便の一番の違いは積載重量にあります。航空便の積載可能重量は、20フィートコンテナの30%程度になり、大量の荷物は運べません。
しかし、航空便は船便よりも配送スピードが圧倒的に早いメリットがあるので、自分のニーズによって配送方法を使い分けましょう。
関連記事:fuudee「古い中古の家具は捨てるしかない?海外に輸出してリサイクルしよう!」
まとめ|輸送コンテナの利用方法を知って効率的な配送を!
輸送コンテナは、大量の荷物を安全に、低コストで送る物流方法です。コンテナを用いることで、作業効率が良くなり、配送料金を安く抑えられます。
コンテナ輸送を手配するときは、フォワーダーに依頼します。会社毎に強みや特徴が異なるので、自分のニーズに合ったサービスを展開している会社を選択しましょう。
コンテナは航空便でも運ばれています。従来のコンテナと異なる形状で、小さく、軽いのが特徴です。コンテナ輸送する時は、荷物の内容や納期、予算によって自分に一番都合の良い方法を選びましょう。