古着卸をオンラインで始めるには?|初心者でも安心の仕入れ方法と成功のコツ
日本国内のファッションリユース市場は大きく成長しており、2026年には市場規模が1兆4,600億円に達すると予測されています。
その中で注目を集めているのが、「オンライン古着卸業者」の利用です。インターネットの普及により、自宅にいながら世界中の商品を仕入れられるようになりました。
では、オンライン卸の利用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
古着ビジネスを始めたい初心者の方に向けて、具体的なメリットや失敗しないための仕入れの基本、信頼できる業者の見つけ方や利益を出すための成功のコツまでを、わかりやすく解説していきます。
【参照】ファッションリユース市場に関する調査を実施(2024年) | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
目次
古着卸をオンラインで利用する3つの大きなメリット

まず、オンラインで古着を仕入れる大きなメリットを3つ紹介します。なぜ今、多くの方がオンライン古着卸を選ぶのか見ていきましょう。
時間に縛られずにアイテムを探せる
オンライン古着卸の最大の魅力は「時間の自由」です。オンラインなら24時間365日、いつでも仕入れ活動が可能で、副業者や育児で忙しい方でも、ちょっとした隙間時間を利用して商品を選べます。
限られたリソースの中で効率よく在庫を確保したい小規模な事業者にとって、非常に大きなメリットです。
希少なヴィンテージがある海外にもアクセス可能
国内だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、世界中の古着卸サプライヤーの在庫をチェックできる点も、オンライン古着卸を利用する大きなメリットでしょう。
日本ではなかなか見つからないような珍しいヴィンテージアイテムや、海外で今流行しているトレンドの古着まで直接仕入れられ、幅広い在庫を用意できます。
一度に大量の仕入れができる
実店舗では持ち運べる量が限られているため、一度に仕入れる量が決まっています。
しかしオンライン古着卸なら、一度に数百着、数十キロ単位の大きなロットで発注できるのです。大量仕入れは商品単価を下げることにつながり、結果として利益を出しやすくなります。
また、在庫切れのリスクを減らせる点もメリットの一つです。
古着卸からの仕入れ|オンラインでもオフラインでも共通する基礎知識

オンラインでもオフラインでも共通する基本用語の一つ、「ピック」と「ベール」の違いを理解していきましょう。
ピック仕入れは選んで仕入れるスタイル
「ピック(Pick)」仕入れは、卸業者が公開している個々の商品の写真や情報を、一つ一つ吟味して選んで購入するスタイル。初めての方や、質の良い高価なヴィンテージを扱いたい方におすすめの方法です。
・メリット
商品の状態やデザインを細かく確認できるため、品質面でのリスクが最も低い。狙ったアイテムを確実に手に入れられる。
・デメリット
手間がかかる分、まとめ買いのベール仕入れに比べて単価は少し高くなる。
ベール仕入れはまとめ買いスタイル
「ベール(Bale)」仕入れは、古着が圧縮梱包された数百着・数十キロ単位の大きな塊を、まとめて購入するスタイル。掘り出し物が入っている可能性もありますが失敗のリスクも高いため、経験豊富な方や不良在庫を処理できる方におすすめです。
・メリット
単価が非常に安く、一度に大量の商品を仕入れられる。
・デメリット
中身を事前に確認できないため、状態の悪いものや売れにくいアイテムが混ざるリスクが高い。
信頼できる古着卸をオンラインで見つける方法とおすすめサイト3選

商品を直接見られないオンラインだからこそ、業者選びは慎重に行いましょう。信頼できる業者を見極めるためのチェックポイントと、おすすめサイトを紹介します。
実績や情報公開の充実度を確認
信頼できるオンライン古着卸業者は、商品の情報を隠さずに積極的に公開しています。特にベールで購入する場合には、過去の開封動画などを公開しているか見てみましょう。
また、商品の状態を「Aランク」や「美品」のように、具体的な検品基準で示しているかもチェックすべきポイントです。
返品対応や問い合わせ体制を確認
オンラインの古着卸では、注文と違う商品や、想定外のひどい商品が届くケースもあります。そういったケースで損をしないために返品・交換のルールが明確かを確認しましょう。返品ポリシーがあいまいな卸業者とは取引を避けた方が安心です。
また、メールやチャットで問い合わせた際の対応が迅速で丁寧かも、トラブル時の対応力を測る基準になります。
おすすめのオンライン古着卸サイト2選
古着卸サイトはたくさんありますが、ここでは初心者の方でも利用しやすいサイトを2つ紹介します。
・MJ vintage
大阪にある日本最大級の倉庫をもつ古着卸。USA古着を中心に世界から仕入れ、オンラインでも卸売りを行っています。
・株式会社SPEC
山形県にある古着卸事業者です。メンズファッションを中心に展開し、古着やカジュアルウェアのセット販売などを手がけています。
古着卸からの仕入れをオンラインで成功させるためのポイント

仕入れた古着をしっかりと利益に変えるためには戦略が必要です。コスト管理やデータ分析をおこない、古着ビジネスを成功させましょう。
トレンドと販売方法を意識して仕入れる
仕入れる際は、フリマアプリやECサイトなどの販売チャネルの客層と今のトレンドを意識して商品を選別しましょう。例えば、フリマアプリでは若者ユーザーに合わせ、手頃な価格帯の古着を販売します。
一方、自社ECサイトでは玄人向けに付加価値の高い一点もののヴィンテージをセレクトしましょう。商品の種類と価格帯を意識した仕入れは売り上げに大きく影響しますよ。
データを記録しながら仕入れ効率を高める
仕入れのデータは必ず記録しておきましょう。
どの業者から、どのカテゴリの商品を、いくらで仕入れて、最終的にいくらで売れたのかを全てノートやスプレッドシートに記録し、後から見返せるようにしておきます。データから改善を繰り返し、仕入れ効率を向上させましょう。
仕入れ前に送料・関税を確認する
特に海外のオンライン古着卸を利用する場合、商品代金以外に「国際送料」「関税」「輸入消費税」がかかります。仕入れ前に必ず業者に見積もりを依頼し、着地価格を含めても利益が出るかをしっかり計算しましょう。この計算を忘れると、「安く仕入れたのに輸送コストで赤字に…」という事態も起こりますので、注意が必要です。
まとめ|古着卸はオンラインから小さく始めて成功させよう!
古着販売の成功の秘訣は、リスク管理とデータに基づいた改善です。まずは高リスクなベール仕入れを避け、ピックなどの「小さな仕入れ」から始めてみましょう。
古着卸のオンライン利用は初心者でも始めやすく、場所や時間の壁を超えて大きなチャンスを与えてくれます。
まずは、信頼できる卸業者を見つけ、ピック仕入れで5〜10点ほど試してみましょう。実際に販売してみることで、自分に合ったジャンルや価格帯が見えてきますよ。
代表取締役 末継 佳大
監修者
株式会社NIPPON47
前職はプロカメラマンとして10年ほど勤務。その後、カメラマンとして独立。タイへの出張時に現タイ法人の代表である日本人と知り合い2019年に同社を創業。当時はタイSAGAWAの代理店として様々な荷物を扱うが、コロナ禍に古着の輸送に特化したサービスを展開し今に至る。現在は、タイ・パキスタン・ドバイの各法人/オフィスと連携を取り合い、日本に拠点をおきながら古着仕入れ・輸出入のサポートを行う。
