【船コンテナ】海上輸送には向き不向きの貨物がある?タイ・日本間での利用について解説
輸出入のビジネスを行う時、航空輸送か海上輸送で迷うかもしれません。海上輸送には不向きの荷物もあり、正しい知識を身につけておくと、ビジネスで有利に働くでしょう。
海上輸送の方法で一般的なのが、コンテナ船を使用した運搬方法です。現在、世界の貿易の9割以上は海上輸送が担っており、私たちの生活や世界の経済活動を支えています。
国外でビジネスを行うのであれば、コンテナ船を含めた海上輸送の基礎知識が必要不可欠です。航空便と比較した海上輸送の特徴について解説しつつ、古着ビジネスで注目されているタイ・日本間での物流の方法まで深堀します。
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【船コンテナ】貨物船との違いや種類について…海上輸送の基礎知識
海上輸送というと、コンテナ船以外にも貨物船やタンカーを思い浮かべる人が多いでしょう。海上輸送では運搬する貨物によって、利用する船を変える必要があります。輸送船の選択を誤ると、予定より高い送料になったり、思いがけないトラブルに遭ったりする可能性もあります。
海上輸送をスムーズに進めて利益につなげるために、海上輸送の基礎知識を深めましょう。
海上輸送とは?どのようなものが該当するの?
海上輸送とは、海上ルートを利用して旅客や貨物を運ぶ手段です。貨物船は大きく3つに分けられます。
・一般貨物船
・コンテナ船
・タンカーなどの専用船
海上輸送では、運搬する貨物や、目的に応じて貨物船を使い分ける特徴があります。
船コンテナ・貨物船との違いについて
貨物を運搬する目的ではコンテナ船と貨物船を使うのが一般的です。コンテナ船と貨物船はそれぞれ用途が異なるので特徴を解説します。
<コンテナ船の特徴>
・貨物コンテナを運ぶ船舶
・海上輸送の手段で最も多く用いられる
・貨物の積み下ろしがスムーズ
・荷物を梱包する必要なし
・船→トラック・鉄道など運搬の流れがスムーズ
コンテナを用いることで物流のコストダウンや海陸の一貫輸送が可能になりました。コンテナは海上輸送の革命と呼ばれるほど、物流業界の発展に大きく貢献しています。一方で、貨物船の特徴は次の通りです。
<貨物船の特徴>
・特殊な形状の貨物の運搬が可能(自動車や動物など)
・貨物の積み下ろしに手間がかかる
コンテナ船の種類について
コンテナ船は様々な種類のコンテナを載せて運搬します。日用品などを運ぶドライコンテナから液体や生鮮食料品を運ぶコンテナまで様々な種類が存在します。
<コンテナの種類>
・ドライコンテナ(一般的な貨物を運ぶもの)
・リーファコンテナ(生鮮食料品を保管する冷蔵、冷凍機能のコンテナ)
・バルクコンテナ(穀物や肥料、鉱山物を運ぶコンテナ)
・タンクコンテナ(ワインなど液体を運ぶコンテナ)
・ガーメントコンテナ(ハンガー付きで衣類を運ぶコンテナ)
コンテナは箱型だけでなく、特殊な形のコンテナもあります。
<特殊コンテナ>
・オープントップコンテナ(天井部分がないコンテナ)
・サイドオープンコンテナ(側面を開閉できるコンテナ)
・フラットラックコンテナ(上部構造を持たないコンテナ)
・フラットベッドコンテナ(天井と側面がないコンテナ)
コンテナに収まらない形状の運搬物も、特殊コンテナを利用すると運搬できます。クレーンなどで運搬物をコンテナに載せ、上からカバーをかけて雨風にも対応します。
コンテナサイズは20フィートと40フィートが主流
コンテナサイズは20フィートコンテナと40フィートコンテナの2つが主流です。45フィートコンテナもありますが、日本では一般道を輸送できないので、使用されませんが、アメリカなどでは普通に用いられています。コンテナそれぞれの大きさは以下のようになります。
<20フィートコンテナ>
外寸:幅2.4m、高さ2.6m、長さ6m
内寸:幅2.35m、高さ2.38m、長さ5.9m
最大積載量:21,000kg~22,000kg
<40フィートコンテナ>
外寸:幅2.4m、高さ2.6m、長さ12m
内寸:幅2.35m、高さ2.38m、長さ512m
最大積載量:26,000kg~27,000kg
通常のコンテナに収まらない貨物はオーバーゲージと認定され、高い料金設定になってしまいます。海上輸送をする場合、前もってコンテナのサイズを理解しておきましょう。
【船コンテナ】海上輸送を選択するメリット・デメリット!航空便と比較しよう
国外に荷物を運ぶときは、海上輸送か航空便を利用するのが一般的ですが、両者にはメリット、デメリットが存在します。運搬する貨物の目的に応じて輸送方法を選択できるよう、航空便との違いを知っておきましょう。
航空便と比較した海上輸送のメリット
海上輸送では大量の荷物を運ぶことができ、大幅なコストダウンが実現できます。また、長距離輸送に適していたり、安全性や環境への負荷が優しかったりするメリットもあります。大きくて重量のある荷物や航空便で運べないガス・液体なども運べるのも特徴的でしょう。
航空便と比較した海上輸送のデメリット
たくさんの貨物を運べるコンテナ船ですが、航空便と比べてデメリットもあります。
・航空便と比べて輸送に時間がかかる
・悪天候や自然災害の影響を受けやすい
・港湾施設の整備が必要
・書類手続きが複雑
海上輸送を利用する時は、天気を調べたり、書類を整えたりする準備が必要です。
海上輸送の注意点|輸出方法は?船コンテナを利用する前に
海上輸送を利用する前に、輸送する貨物がコンテナ船に向いている物か理解する必要があります。輸送する貨物の種類によっては航空輸送が向いている場合もあるため、輸出する時は運送方法を正しく選択しましょう。
海上輸送と航空輸送のメリットを最大限に活用し、スムーズでスピーディーな物流がビジネスに大きく貢献してくれます。
海上輸送に向いている貨物の特徴
海上輸送では、納期に余裕があり、大量に輸送したい貨物が適しています。次のように、航空便では運べないものもコンテナ船なら運搬可能です。
・バルク貨物(鉱石、石炭、セメント、穀物など包装されないもの)
・コンテナ貨物(電子機器、家具、衣料品、玩具などの一般貨物)
・液体貨物(原油、ガソリン、液体化天然ガス、化学製品)
大量かつ重い物は飛行機よりもコンテナ船が適しているといえるでしょう。
海上輸送に不向きな貨物の特徴
海上輸送は時間がかかるので、納期を急ぐものは適していません。次のようなものの運搬は海上輸送に不向きです。
・高価な製品(宝石、高級腕時計、高価な電子機器など)
・急ぎの製品(衣料品、新鮮な魚や果物、新聞)
・小さく軽い高価な製品(スマートフォン、カメラ)
トラブルを避けるためにも、繊細な製品はコンテナ船で運ばず、航空輸送の手段を検討しましょう。
個人で船コンテナを利用する方法は?
個人でコンテナ船を利用する時はフォワーダーを経由して予約しましょう。個人では月に利用するコンテナ数が少ないので船会社と直接取引はできません。
フォワーダーは、会社ごとに得意とする分野や対応できる国が変わるので、自身の目的に合わせたフォワーダーを選びましょう。
日タイ間の海上輸送について…日数・通関に関する注意点
個人輸出の取引先としてタイに注目が集まっています。タイで販売される古着は日本でも人気があり、輸入ビジネスを行う人も増えているのです。最後に、日本とタイの海上輸送について概要や注意点を解説します。
日本・タイの海上輸送の概要
タイから日本に荷物を送るときは、郵便局を使う方法と海上貨物としてコンテナを利用する方法の2つがあります。到着までにかかる日数や料金を航空便と比較してみましょう。
<郵便局から国際便として送る場合の料金と到着日数>
海上輸送:30kgで約13600円(所要日数は1~2ヶ月程度)
航空輸送:30kgで約29000円(所要日数は約3週間程度)
<海上貨物輸送として送る場合>
・20フィートコンテナを使用する場合の相場は600ドル
・所要日数は約1ヶ月程度
・輸送貨物が1つのコンテナに満たない場合はLCL(混載)を利用する
コンテナ船を利用するとコストを抑えて大量の荷物を運ぶことができますが、到着までに時間がかかるデメリットがあります。
「通常の船便では時間がかかりすぎて困る」という方は、NIPPON47の高速海上便がオススメです。貨物到着まで12日〜16日間となっており、通常のコンテナ船より到着が早いサービスです。料金も航空便より安く抑えられるので目的に応じて使い分けるのも効果的でしょう。
輸送に関するよくある悩みと注意点
タイからコンテナ船を使って荷物を運ぶときは、次のような船便特有の手続きに注意が必要です。
・通関手続きが必要(通関手数料や税関検査料などの費用も発生)
・輸出、輸入の規制に注意(国特有の禁止事項もあり)
・現地や日本国内の輸送手段を考える
コンテナ船を利用した海上輸送では多くの書類手続きがあるため事前に把握しておく必要があります。
<通関手続きの書類>
・現地の輸出許可
・日本での輸入許可
・貨物のインボイス
・パッキングリスト
・特定原産地証明書
まとめ|船コンテナの基礎知識・海上輸送について
海上輸送の方法の1つにコンテナ船があります。コンテナには一般貨物を運ぶものから、冷蔵機能を備えたものまで様々な種類があり、運ぶ貨物によって使い分けが必要です。
海上輸送は低コストで多くの貨物を運ぶことができる反面、時間がかかるデメリットがあるため、運ぶ荷物によって使い分ける必要があります。
「海上輸送でも早く届ける方法はないか?」と悩む方にはNIPPON47の高速海上便がおすすめです。通常の船便よりも圧倒的に早く、航空便より安い高速海上便というサービスを提供しているので、お気軽にご相談ください。