卸売古着の完全ガイド|店舗・オンライン・海外仕入れの違いと選び方
この記事の要約
- 卸売古着には、国内倉庫、オンライン卸、海外仕入れ、古物市場など複数の仕入れ方法があります。
- ピック・アソート・ベールの特徴を理解し、販売規模や顧客層に合う形式を選びましょう。
- 商品代だけでなく、輸送・検品・保管費を含めた着地原価を計算し、少量から販売を検証しましょう。
古着販売を安定させるには、商品を継続して確保できる仕入れ先が欠かせません。リサイクルショップや個人から1点ずつ買い付ける方法もありますが、取扱量が増えるほど、卸売を活用した仕入れが重要になります。
卸売古着には、国内倉庫で商品を選ぶ方法、オンラインで注文する方法、海外の市場や倉庫から輸入する方法などがあります。さらに、1点ずつ選ぶピック、カテゴリー別のアソート、重量単位で購入するベールなど、販売形式もさまざまです。
本記事では、卸売古着の基本から仕入れ方法、業者の選び方、必要な許可までを解説します。自店舗の規模や販売チャネルに合う仕入れ方法を見つけるためにお役立てください。
目次
卸売古着とは?仕入れ前に知っておきたい基本
卸売古着とは、回収・選別された中古衣類を、販売事業者向けにまとめて販売する仕組みです。まずは一般的な小売との違いや、主な販売形式を理解しておきましょう。
卸売古着と一般的な古着販売の違い
古着の卸売では、古着店、EC事業者、リメイク事業者などが再販売することを前提に商品が提供されます。小売店で購入するより1点あたりの価格を抑えやすく、一定数の商品を継続的に確保できる点が特徴です。
ただし、安く購入できれば利益が出るとは限りません。仕入れた衣類のすべてを販売できるわけではなく、汚れや破損、サイズ、季節などによって商品化できないものもあります。
販売価格から逆算し、検品、クリーニング、撮影、保管、販売手数料まで含めて利益を計算する必要があります。
ピック・アソート・ベールの違い
卸売古着の販売形式は、主に3種類に分けられます。
・ピック:倉庫などで実物を確認し、1点ずつ選ぶ
・アソート:カテゴリーやブランド、季節ごとにまとめて購入する
・ベール:圧縮梱包された古着を重量単位で購入する

ピックは状態やデザインを確認できるため、商品構成を細かく調整できます。一方、選定に時間がかかり、1点あたりの仕入れ価格が高くなる傾向があります。
アソートは品ぞろえを作りやすく、オンラインでも購入しやすい形式です。ベールは大量仕入れに向いていますが、中身をすべて確認できない場合があるため、一定の不良率や選別作業を見込む必要があります。
リユース市場の拡大が卸売需要を支えている
古着市場は、価格の安さだけでなく、希少性や環境への配慮といった価値でも選ばれるようになりました。フリマアプリやECの普及により、中古衣類を売買する機会も増えています。
経済産業省の資料では、衣類・服飾品のリユース市場は、2018年から2023年までの5年間で約1.7倍に拡大したと報告されています。
市場の拡大によって販売事業者が増える一方、売れ筋商品は仕入れ競争も起こります。卸売を利用する場合も、仕入れ先に任せきりにせず、顧客が求めるカテゴリーや価格帯を明確にすることが重要です。
参考:経済産業省「令和6年度地球温暖化問題等対策調査事業費」
卸売古着を仕入れる4つの方法|ロットや輸送コストも確認を
卸売古着は、仕入れ先によって確認できる情報や必要なロット、輸送コストが異なります。それぞれの特徴を比較し、自社の経験や販売量に合う方法を選びましょう。
国内の古着卸倉庫で仕入れる
国内の卸倉庫では、古着を手に取りながら、状態、生地、サイズ、タグなどを確認できます。ピック形式に対応している倉庫であれば、店舗のコンセプトに合う商品だけを選びやすいでしょう。
輸入手続きが不要で、仕入れから納品までの期間が比較的短いこともメリットです。初めて卸売を利用する事業者や、少量からテストしたい店舗に向いています。
一方、倉庫までの交通費や選定時間がかかります。予約制、最低購入金額、ピック単価など、利用条件も事前に確認しましょう。
オンラインの古着卸サイトから仕入れる
オンライン卸は、地域を問わず注文でき、倉庫へ移動する時間を削減できます。1点ごとの販売だけでなく、カテゴリー別のアソートやセット販売、ライブ配信による仕入れなど、形式も多様です。
注意点は、画像だけではにおい、生地の薄さ、細かな傷などを把握しにくいことです。商品画像、状態ランク、採寸方法、不良品の基準、返品条件を確認してください。
初めて利用するサイトでは、少量注文から始め、掲載情報と届いた商品の差を確認します。複数回の仕入れを通じて、品質や売れ行きが安定してから発注量を増やすとリスクを抑えられます。
海外の市場や卸倉庫から仕入れる
海外仕入れでは、日本国内では集めにくいブランド、年代、デザインの古着を確保できる可能性があります。現地の市場や倉庫でピックする方法のほか、担当者に条件を伝えてアソートやベールを作ってもらう方法もあります。
商品価格だけでなく、国際輸送、保険、通関、国内配送などを含めた着地原価で比較することが重要です。為替や輸送日数の変動もあるため、販売時期から逆算して手配します。
輸入時の関税率は、品目、素材、加工状態、原産国などで異なります。仕入れ前に税関や通関事業者へ確認し、必要に応じて品目分類の事前教示制度を活用しましょう。
古物市場や事業者間取引で仕入れる
古物市場では、古物商同士が衣類やブランド品などを売買します。一般的な卸倉庫とは異なり、箱単位やまとめ売りの商品が出品されることもあります。
事業者間の在庫買取や閉店在庫なども仕入れ先になり得ますが、常に同じ商品が供給されるとは限りません。スポット仕入れとしては有効でも、主力商品を安定して確保する用途には向かない場合があるでしょう。
参加条件や手数料、取引方法を確認し、商品の所有権や仕入れ元が明確な取引先を選ぶことが大切です。
卸売古着の仕入れ先を選ぶポイント|仕入れ価格だけはNG
仕入れ価格だけで業者を選ぶと、商品化できない衣類や売れにくい在庫を抱える可能性があります。品質、販売条件、物流まで含めて比較しましょう。
顧客と販売チャネルに合う商品があるか
実店舗、自社EC、フリマアプリでは、売れやすい商品や価格帯が異なります。仕入れ先を探す前に、誰へ、どのような古着を、いくらで販売するのかを整理します。
例えば、低価格帯を中心に販売する場合は、商品単価だけでなく回転率が重要です。専門店では、年代、ブランド、カテゴリーなどの統一感が求められます。
仕入れ先が扱う商品の産地、年代、ブランド、サイズ、季節を確認し、自店舗の顧客と合うかを判断しましょう。
仕入れ価格ではなく着地原価で比較する
卸売古着の原価には、商品代金以外にもさまざまな費用が含まれます。
・国内外の輸送費
・関税や輸入消費税
・検品や選別にかかる人件費
・クリーニングや補修費
・倉庫の保管費
・販売できない商品の処理費
仕入れ数量が増えると商品単価は下がっても、売れ残りや作業負担が増える場合があります。「仕入れ総額÷仕入れ点数」だけでなく、「総費用÷販売可能点数」で実質原価を計算することが大切です。
品質基準と取引条件が明確か
卸売古着には、使用感やダメージなどの個体差があります。状態ランクや不良品の定義が曖昧な仕入れ先では、納品後の認識違いが起こりやすくなります。
取引前には、最低購入量、送料、納期、返品・交換条件、欠品時の対応を確認します。ベールやアソートの場合は、カテゴリーの構成、想定不良率、サンプルの有無も判断材料です。
海外業者を利用する場合は、会社情報、倉庫の所在地、輸出実績、請求書の内容、支払条件も確認しましょう。
卸売古着を始めるときの実務と注意点
卸売は大量に仕入れる方法ではなく、販売に必要な商品を安定して確保する仕組みです。許可や在庫管理を整え、小さな検証から始めましょう。
古着販売では古物商許可を確認する
中古品を仕入れて継続的に販売する場合は、原則として公安委員会の古物商許可が必要です。自分で使用していた衣類を売る場合と、再販売を目的として古着を仕入れる場合では扱いが異なります。
オンライン販売でも、古物営業に該当する場合は許可が必要です。営業所の所在地を管轄する警察署などに確認し、販売を始める前に手続きを進めてください。
初回は少量で販売可能率を検証する
初回から大量に仕入れると、売れ筋や不良率を把握できないまま在庫を抱える可能性があります。まずはカテゴリーや数量を限定し、実際に検品・販売します。
確認したい指標は、販売可能率、平均販売価格、粗利益率、在庫回転日数、返品率など。売れなかった理由も、価格、サイズ、季節、状態に分けて記録しておくことがその後に役立つでしょう。
検証結果を次回の仕入れ条件へ反映することで、感覚に頼らない仕入れができるようになります。
複数の仕入れ方法を組み合わせる
安定した店舗運営には、一つの仕入れ先に依存しないことも重要です。定番商品は国内卸から確保し、差別化商品は海外倉庫で探すなど、目的ごとにルートを分けられます。
オンライン卸は不足商品の補充、ベールは販売量が増えた段階での仕入れなど、事業規模に合わせて使い分ける方法もあります。
NIPPON47では、日本、タイ、パキスタン、ドバイの拠点を活用し、古着の仕入れや輸送を支援しています。海外仕入れでは商品選定だけでなく、輸送や通関を含めた全体設計を検討することが大切です。
まとめ|卸売古着は販売計画から逆算して選ぶ
卸売古着には、国内倉庫、オンライン卸、海外仕入れ、古物市場など複数の方法があります。販売形式もピック、アソート、ベールに分かれ、それぞれ必要な資金や商品確認のしやすさが異なります。
重要なのは、安く大量に購入することではありません。顧客層、販売価格、販売量から必要な商品を決め、商品化や輸送にかかる費用まで含めて仕入れ先を比較することです。
最初は少量で販売可能率や在庫回転を確認し、結果が安定してから仕入れ量やルートを増やしましょう。国内と海外、店舗とオンラインを組み合わせることで、品ぞろえと供給の安定性を両立しやすくなります。
代表取締役 末継 佳大
監修者
株式会社NIPPON47
前職はプロカメラマンとして10年ほど勤務。その後、カメラマンとして独立。タイへの出張時に現タイ法人の代表である日本人と知り合い2019年に同社を創業。当時はタイSAGAWAの代理店として様々な荷物を扱うが、コロナ禍に古着の輸送に特化したサービスを展開し今に至る。現在は、タイ・パキスタン・ドバイの各法人/オフィスと連携を取り合い、日本に拠点をおきながら古着仕入れ・輸出入のサポートを行う。
